2021.12.19

12月19日「神は本当に愛しているか」 第二 コリント  13章1〜7節

 

テーマ「神は本当に愛しているか?」

聖書 ヨハネ3: 16

   ヨハネ第一の手紙4: 16

   第二コリント13: 4

 

メリークリスマス。クリスマスの祝福が皆様の上にありますように。

今年のクリスマスに「神は本当に愛しているか?」というテーマをいただきました。これは人類が常に天に向かって問いかけているテーマです。神は存在するのか?神は愛であるか?聖書の神を私たちは必要としているか?などと言う宗教の最も本質的な疑問であります。

 

今日クリスマスを迎えて、平和で楽しい団欒を囲んで祝っている人たちばかりではありません。突然の火災や、竜巻のために命を奪われた多くの人たちのことを無視することができません。不幸のどん底でクリスマスを迎える人にとっても「神は本当に愛しているか」という問いかけは投げかけられているのです。

少なくても5つの点において神の愛に疑問を持つことでしょう。

①東日本大震災以来うち続く災害

②民族闘争、差別や奴隷化、難民の問題

③人心の乱れ、孤独、殺人、自殺

④最も優れた頭脳が作っている殺人兵器。新しい世界戦争の不安。

⑤コロナウィルスの世界的感染。オミクロン株による新しい不安。

 

特にここ数日起こった大阪における大火災においても、放火を起こし、人を殺し、自分の命を捨てていく人の問題。人の心が殺伐としていることが毎日のニュースでよくわかります。まさに神を知らない人間の姿です。神の愛を持たない人たちの結末です。今こそ神の愛が伝えられなければなりません。

20世紀最大の伝道者ビリーグラハム博士は、およそ50年前に「神は本当に愛しているか」という説教をしているのです。その時代は広島長崎の原爆の記憶の新しい時であり、東西の冷戦状態が際立った時でありました。

彼はその答えは哲学者も、政治家も与えることができない。ただ聖書のみがそれに答えていると言いました。

まず聖書は、人は罪のゆえに3つの死を経験することになったと言っています。

①肉体的死

②霊的死

③永遠的死

特に②の霊的死は、今日世界を覆っています。そればかりでなく日本も肉体的に生きていても、心が渇き、無目的で、喜びを失い、死んだ状態になっています。その結果は③永遠的死です。真の天国はありません。復活の希望はありません。永遠の神の御国の希望もないのです。

 

それでは神の愛はどのように示されているのでしょうか?神であられたお方が、人となって肉体を取り、私たちの間に生きてくださったばかりでなく、十字架にまでかけられて身代わりとなって死んでくださったのです。それがイエス・キリストです。そのために彼は家畜小屋の中の飼い葉おけに誕生したのです。それがクリスマスです。

イエスキリストの誕生こそ神の愛のしるしです。このお方によって私たちは変えられるのです。生まれ変わることができるのです。

「言は肉体となり、私たちのうちに宿った。」(ヨハネ1: 14)見えない神の愛の言葉が、見える姿の人となられました。ここに「エゲネト」と言うギリシャ語が使われています。英語ではbecomeです。神が人となられたように、私たちは神の子となることができるのです。そのために罪を許してくださる十字架が必要なのです。そのためにこのお方は生まれたのです。それがクリスマスのメッセージです。そしてクリスマスプレゼントが一人ひとりに届けられるように、一人一人が生まれ変わることができるのです。ここに神の愛があります。

「すなわち、キリストは弱さのゆえに十字架につけられたが、神の力によって生きておられるのである」。(第二コリント13: 4)

 

栄光と力に満ちたみ子イエス・キリストは、私たちの弱さを理解するために、貧しく弱い姿で、飼い葉桶の中に誕生されました。そこに神の愛があります。(第一ヨハネ4: 16)

 

人生のいかなる苦難を経験したとしても、信仰によって、すべては感謝であり神は愛であるといい得る人は幸いです。

フランスのカトリック作家で1952年にノーベル文学賞を授与されたフランソワ・モーリアックという人がいます。彼は第二次世界大戦中反ナチス運動のために多くの苦難を舐めました。1970年84歳で天に召される前に、自ら墓碑銘を残しました。

@私は幼な心に信じたことを、今もそのまま信じている。人生には意味がある。行き先がある。価値がある。1つの苦しみも無駄にならず、一粒の涙も、一滴の血も忘れられる事は無い。この世の秘密は聖ヨハネのあの言葉に含まれているのだ。「神は愛です」(ヨハネ第一の手紙4: 16) 

 

現実的には厳しい問題の山積している時代ではありますが、私たちは信仰によって「神は愛である」と大胆に語ることができます。

 

この大いなる祝福が兄弟姉妹の上に豊かにありますようにお祈りいたします。

小田 彰