テーマ「冬になる前に」
聖書 (第二テモテ 4:9〜22、ルカ22:39〜46)
2024年あけましておめでとうございます。元日より能登半島地震が起こり、多くの被災者が出ました。まだこれから長い復興への道のりがあると思います。そのために祈りましょう。また、2日に羽田空港における想像もできないような大惨事が起こりました。日本を取り巻く環境が厳しい時期に、祖国日本が健全な舵取りができるようにと祈るものです。
今年のテーマは「イエス・キリストにある希望」です。私たちの主イエス・キリストはどのようなお方であるか、できるだけそのお姿に近づきたいと思います。
今回はテモテ第二の手紙から始めましょう。これは聖パウロが書いた最後の手紙です。AD67年頃ローマにおいて殉教したと言われています。AD64年に、ネロ皇帝は、ローマ市を造り変えるために、自ら火を放ちました。その大火災の犯人として、クリスチャンたちが罪を背負わされました。そしてクリスチャンのリーダーである。パウロは捕えられ、牢獄の中にその最後の時を迎えようとしています。
「冬になる前に、急いで来てほしい」(4:21)
これは極めて孤独な老人の叫びのように聞こえます。若き弟子のテモテに、冬になる前に残してきた上着と本を持ってきて欲しいと言っているのです。
しかし、私にはイエス・キリストの叫びのように聞こえました。まもなく厳しい冬が来ます。その備えをしたいのです。私たちはこれから起こる出来事のために、イエス・キリストの心を理解して、何ができるでしょうか。
「冬」とは、
①人生の終わりを意味し、死が近いことを示唆しています。
②福音を自由に語ることができない時代の到来を感じさせます。すなわち、言論の自由が束縛される時代です。日本においても太平洋戦争末期にそういう時がありました。
③終末論的預言です。世界がどのように終わりに向かうか、それはいつか、それは誰にもわかりません。しかし、時々刻々、その時が近づいていることを感じさせます。聖書の言葉によれば、戦争のうわさ、疫病の流行、地震の頻発、国民の分断と内戦、少なくても11の項目を上げることができるでしょう。
これらのことを考えると「冬が来る前に」早く準備しなければならないことがあるのではないでしょうか。昨年このテーマについて準備し始めていた時に、元日に能登半島地震が起きるということは予測もできませんでした。
さて、私がクリスチャンとして準備すべきことを3つ挙げてみます。
①今福音を求める人たちが周囲にたくさんいると言うことです。福音を伝える必要があります。
②聖パウロは偉大な伝道者でありましたが、上着と書物を持ってきて欲しいと書きました。現実的に助けが必要な人に手を差し伸べるべきです。
③どのようなことがあっても、動揺しないように、確かな信仰を確立しましょう。また、そのために日々目を覚まして祈りましょう。
2024年の四文字熟語は「主之真実」です。「たとい私たちは、不真実であっても、彼は常に真実である。」(第二テモテ2:13) パウロは真実の主を知っていましたから、殉教への道をひたすら進むことができました。
私たちはパウロのように、信仰に命をかける意味があると理解してるでしょうか?信仰とはある人にとっては「無」であるかもしれません。しかし、私たちにとっては「すべて」であります。
今年をあなたの人生の大切な準備の時として、過ごされますようにお祈りいたします。
小田 彰