2024.2.4

テーマ「良い兵卒として」

聖書 第二テモテ 2章1〜7節、マルコ 3章13〜19節

     

テモテへの第二の手紙の目的は、性格は良く能力もあるが、勇気がない若い弟子に対するパウロの激励です。

「もっと強くなってほしい」「私と苦しみを共にしてほしい」と励ましています。

この御言葉を、私たちに対する主の励ましと受け取れたら幸いです。今社会には大きな問題が山積しています。天災もあり戦争もあります。経済の不安定さ、高齢化社会の心配もあります。

しかし、困難が大きければ大きいほど、信仰によってますます勇敢に戦うことができる人は幸いです。

 

「そこで、私の子よ。あなたはキリスト・イエスにある恵みによって強くなりなさい。」(2:1)

 

ここで元気を出す秘訣が書かれています。

①イエス・キリストによって、与えられた恵みの数々を思い返すこと。

②自分一人で背負わないで、信頼できる人に任せていくこと。

③兵卒のように司令官であるイエス・キリストのみ声に従うように。

④オリンピックの競技者がルールに従って競うように真理の御言葉に従うこと。

⑤労する農夫が生産物の分配に預かるように、必ず恵みが与えられること。

 

この助言の中で驚くべき事は、独創的でマイペースの伝道者パウロが、「忠実な人々に委ねなさい」と言っていることですね。いわゆる権限の委譲ということです。直線距離でも、1500キロはある遠い道のりをエペソからローマまで来るためには、万一のことも考えて、テモテは誰かに教会を委ねなければなりませんでした。

神の御子イエスが、全能の力を持っていたとしても、その宣教のみわざを弟子たちに託していかなければなりませんでした。ご自身が十字架にかかった後には、この弟子たちが福音を担っていかねばなりません。そのことのために適切な人物を選び訓練なさいました。  

「さて、イエスは山に登り、御心にかなった者たちを呼び寄せられたので、彼らは身元に来た。そこで12人をお立てになった」(マルコ3:13、14)

 

福音宣教の事業は、委ねられた人々によって次代に継承され展開していく神の業なのですね。

 

さて、西暦194年頃、ローマの円形劇場コロセウムでキリスト教徒たちが火あぶりになり、あるいは猛獣の餌食にされる殉教の死をとげる様子を見ていた軍人テルトリアヌスは、「何が彼らにこのような高い道徳性と忍耐力を与えたか」という強い疑問を持ちました。彼はついにキリスト者となり、故郷のカルタゴに戻って、初代教会の大指導者となりました。

 

苦難に向かって立ち向かっていく姿が、いかに多くの人に励ましとなり、希望を与えることか。パウロもそうでしたが、パウロを救いに導いたイエス・キリストの十字架の道もまさにそれだったのですね。

かつて私はハワイのマウイ島に3ヶ月ほど滞在したことがありました。大きな波が近づいてくると、サーファーたちはサーフィンボードを抱えて嬉しそうに海に向かっていきました。まさに荒波を喜ぶ人たちなんですね。

 

私たちも今現実生活の中にあって、「強くありなさい」と言われる主の御声に励まされて、前進したいと思います。今週も祝福が豊かにありますようにお祈りしています。

小田 彰