2021.12.26

「神は本当に愛しているか」 第二 コリント  13章1〜7節、マタイ2:13-18

 

一年の最後の礼拝のメッセージを「年末の辞」と言っています。ルターやカルバンのような宗教改革者は年末の辞を大切にしました。一年間祈りが聞かれたということよりも、未解決の多くの問題が山積して迎えるのが年末でしょう。予想しなかった試練や問題が起こって格闘したことでしょう。しかし年末に、「すべては神の最善であって感謝すべきかな」と言いうる人は幸いです。

一年間毎週長文のメールを読んでくださったことを感謝いたします。またコロナ禍にあって、礼拝が休会の時にも、祈り支えてくださったことを感謝いたします。

昨日クリスマスデーを終えて、イエスキリストと聖家族は、ヘロデ王の迫害を逃れてエジプトに行きます。クリスマスの輝かしい出来事の直後に、長い困難な逃避行が始まるのです。私たちもこの年末に様々な問題課題があったとしても、幼児イエスと共に担ってまいりましょう。

 

第二コリント13章でこのパウロの手紙を終わります。彼の個人的で、しばしば感情的とも思える文章は、今日の箇所で穏やかで、平安に満ちたすすめの言葉で完結します。この御言葉を今年の年末の辞として受け取りましょう。

「最後に、兄弟たちよ。いつも喜びなさい。全きものとなりなさい。互いに励ましあいなさい。思いを一つにしなさい。平和に過ごしなさい。そうすれば、愛と平和の神があなた方と共にいてくださるであろう。」(13: 11)

 

パウロはこの慈愛に満ちた言葉の前に、第二コリント全体を象徴するような御言葉を残しています。

「私たちは、真理に逆らっては何をする力もなく、真理に従えば力がある」(13: 8)

キリスト者の力は、いかに神の御心に沿って生きているかと言うことにかかっています。神の愛の中に生き、神の言葉が心の内を支配する時、私たちは神と同一の存在となります。すなわち神のルールに従って生きるときに、私たちは奇跡を見ることができるのです。自分の力ではなく神の力によって行動する時、想像を絶する大きな結実を見ることができます。それが福音の奇跡です。

この原理に従って2022年を迎えましょう。

 

13章13節は「祝祷」として2000年来世界のキリスト教会で用いられてきました。そして私たち牧師もこの言葉をもって会衆を祝福するのです。すべての恵みはイエスキリストの十字架から来ます。それによって神の無限の愛を知ることができます。それを今日も私たちに伝えるのはご聖霊の働きであり、聖霊の交わりです。

「主イエスキリストの恵みと、神の愛と、聖霊の交わりとが、あなた方一同と共にあるように」(13: 13)

 

一年の終わりにあたり、愛と平和の神があなたと共にいて下さいますように祈ります。

小田 彰