テーマ「和解の福音」
聖書 第二 コリント5章15〜21節
今回の緊急事態宣言は本日まででしたが、また9月12日まで延長されました。まだ新型コロナ感染は収束には程遠い現状です。引き続き信仰を強く持って、見えない神を見上げつつ歩んでまいりましょう。
新しく造られた人、和解の務め、和解の福音、キリストの使者、などの大切な言葉を聖書は第二コリント5章に託しています。クリスチャンになるという事は単なる教会の会員になることではなく、新しい人に造り変えられ、神と人との執り成し役として立てられ、天国の大使としてこの世に遣わされることなのです。
「誰でもキリストにあるならば、その人は新しく造られたものである。古いものは過ぎ去った、見よ、全てが新しくなったのである。」(5: 17)
これは単に信仰を持つことによって「新生」したと言うばかりではなく、聖霊によって内側から清められ、新しい人となることも含んでいます。
①人生の目的が変わり
②価値観が変わり
③性質が変わります。
地上に生きるものから、天上に生きるものに変えられるのです。
死んで甦るのではなく「復活体」で生きるのです。
「神はキリストによって、私たちをご自分に和解させ、かつ和解の務めを私たちに授けて下さった。」(5: 18)
この和解という言葉は英語でreconciliationと訳されています。経済用語としては「相殺」と言う意味です。夫婦が争った場合には、両者が譲歩することによって、和解を見出します。しかしここで語られている和解は、神が一方的な愛によって私たちを許してくださることによる和解です。それはイエス・キリストの十字架によるのです。そこでこれを恩寵といいます。パウロはここで「和解の福音」と言っているのです。そのようにして神の恵みに入れられた私たちは、この和解の福音を伝える任務を負っているのです。
「神が私たちを通して勧めをなさるのであるから、私たちはキリストの使者なのである」(5: 20)
この使者という言葉は英語でambassadorと訳されています。まさに天国の全権大使です。
伝道者パウロは第二コリント5章の終わりの部分に福音の本質について3つのことを語っています。
①誰でも新しく生まれ変わることができること。
②和解の務めが与えられていること。
③キリストの大使としてこの世に遣わされていること。
なんと大胆で明快な信仰観でしょうか。
新しく造り変えられることについては、主イエスキリストがユダヤ教の指導者であったニコデモに語った言葉に明瞭に書かれています。
「よくよくあなたに言っておく、誰でも新しく生まれなければ、神の国を見ることができない」(ヨハネ3: 3)
「よくよくあなたに言っておく。誰でも、水と霊とから生まれなければ、神の国にはいることはできない。肉から生まれるものは肉であり、霊から生まれるものは霊である。」(ヨハネ3: 5.6)
ニコデモのように、週に2回は断食をし、毎日2時間は祈りの時を持つような宗教家であっても、その心が造り変えられなければ神の国を見ることができません。しかし、この新しく生まれ変わる事は、誰にでも可能なのです。今日、あらためてイエス・キリストにある信仰を吟味させていただきましょう。
御聖霊が深く導いてくださるようにお祈りいたします。
小田 彰