「信望愛主」
テーマ「心をひとつに」
聖書 第一 ペテロ 3章1〜12節
「同じように、妻たるものよ。夫に仕えなさい。そうすれば、たといみ言葉に従わない夫であっても、あなた方のうやうやしく清い行いを見て、その妻の無言の行いによって、救いに入れられるようになるであろう」(3: 1.2)
第3章は妻に対する教えから始まります。これは結婚式でも読まれるところですが、2000年前の当時の家庭において、信仰を持たない夫に対する妻の態度は大変難しい問題でした。
また場合によっては一夫多妻という社会でもありましたから、クリスチャン女性がどこまでも誠実を尽くしながら愛を勝ち取っていくことも大きな問題でした。
「夫たるものよ。あなた方も同じように、女は自分よりも弱い器であることを認めて、知識に従って妻と共に住み、命の恵みを共々に受け継ぐ者として、尊びなさい。それはあなた方の祈りが妨げられないためである」(3: 7)
「同じように」という言葉は、2章の終わりにあるイエス・キリストの生涯を模範としている点に於いて「同じように」であると解釈されます。
「キリストも、あなた方のために苦しみを受け、御足の後を踏み従うようにと、模範を残されたのである」(2: 21)
[キリストの模範] (2: 22-24、イザヤ書53章より引用)
①キリストは罪を犯さず
②その口に偽りがない
③ののしられて罵り返さず
④苦しめられても脅かすことをせず
⑤神に一切をゆだねていた
⑥十字架上で私たちの罪を負われた
⑦私たちはその傷によって癒された
教会の中で、夫婦による証が、教会の外の人々に福音の素晴らしさを伝える力があることをペテロは知っていました。
ペテロは「外面の飾りではなく」(3: 3)と女性のファッションについて語っています。この言語はコスモスという言葉で、それが今日のコスメティックになっています。これもまた夫も妻も、教会の中の人々も皆、外面的ではなく内面的な信仰の人となりを求められているのです。
鍵の言葉を取り上げてみましょう。
①無言の行いによって
②隠れた内なる人、朽ちることのない飾り
③祈りが妨げられないため
④祝福を受け継ぐ者 など大切な言葉が列記されています。ぜひ聖書を開いてください。
「最後に言う。あなた方は皆、心を一つにし、同情し合い、兄弟愛を持ち、哀れみ深くあり、謙虚でありなさい」(3: 8)
「悪をもって悪に報いず、悪口をもって悪口に報いず、かえって、祝福をもって報いなさい」(3: 9)
教会員同士の交わりに於いて語られたこれらの言葉は、先のイエス・キリストのお姿を模範にしている事は明らかです。
救世軍を創設したイギリスのウィリアム・ブースは奥様キャサリンとの関係についてすばらしい言葉を残しています。「私と妻とは二人ともに互いに服従しあって、一方が他方を支配したと言う感じを持った事は全くありません。」これは「服従の消滅」と言われる深いテーマです。
それはまた「支配と従属からの解放」とも言われます。
このペテロの手紙は、イエス・キリストによって救われた人たちの交わりには、上下もなく、強弱もなく、支配も従属もなく、自然の動機によってお互いを支え合う交わりが可能であると宣言しています。これは人間社会において最も崇高な理想であり、聖霊によって私たちが導かれる可能な目標だと信じます。
今日も私たちの交わりの姿を、神様が見ておられることを意識して歩みましょう。「主の目は義人たちに注がれ、主の耳は彼らの祈りに傾く」(3: 12)
神の祝福が豊かにありますようにお祈りいたします。
小田 彰