「信望愛主」
テーマ「父が約束されたもの」
聖書 ルカ 24章44〜53節
イエスキリストの復活から昇天までは40日です。この期間に主は3つのことを私たちのためになさいました。
①罪の赦しの福音を全世界に伝えるように宣教命令を弟子たちに与えること。
②そのために約束の聖霊を受ける為にエルサレムで待ち望んで祈ることを命ずること。
③昇天に際し人々を祝福すること
でした。
さて今日は「母の日」ですね。1908年に大統領令によって米国バージニア州で始まった母の日運動は、全世界に広がりました。今日ウクライナの人々もロシアの人々も、その母たちは息子や娘たちのために心を痛め祈っているはずです。
母の愛は赦す愛であり、執り成す愛であり、自己犠牲的なアガペーの愛のシンボルとなっています。
「見よ、私の父が約束されたものを、あなた方に贈る。だから、上から力を授けられるまでは、あなた方は都にとどまっていなさい」(ルカ24 : 49)
イエスは弟子たちがどんなに努力をしても、また才能があったとしても、福音を宣べ伝えることはできないということをご存知でした。
それは今日私たちの人生においても、神のみわざは人間の力ではできないのです。聖霊によらなければなりません。
「私は父にお願いしよう。そうすれば、父は別に助け主を送って、いつまでもあなた方と共におらせてくださるであろう」(ヨハネ14:16)
これは最後の晩餐で主イエス・キリストが弟子たちに聖霊について語った部分です。「助け主」はまた「慰め主」とも訳されています。ギリシャ語では「パラクレイトス」といいます。本来の意味は「弁護人」「執り成す者」です。
「助け主、聖霊」は、ある意味で母なる霊と言うことができます。神の御心を私たちに示し、神との出会いを実現します。そして救われたものが、整えられて聖化されるように導かれるのです。このお方は祈り求める時、常に共にいてくださいます。そしてこのお方によって益々イエス・キリストの素晴らしさに気がつくのです。このようなご聖霊を主は人類に与えたいと願って道を開かれました。
「母の日」にあたり、カサカサした信仰生活ではなく、やさしくうるおいのある信仰の境地に導かれるために、ご聖霊の働きに目を開き、祈り求めて待ち望みたいと思います。
19世紀米国における最大の伝道者はムーディーでした。彼の死後後継者となったのはトーレー博士でした。彼はまた世界各地に伝道しましたが、スコットランドのグラスゴーで説教した時、この聖霊の働きについて語ったのです。それを聞いた一人の夫人が、説教の後彼を自宅に招いて「聖霊について教えて欲しい」と教えを乞いました。この夫人は1年前に夫を天に送り、寂しさと悲しみの中にありました。トーレー博士はパラクレイトスである聖霊について語りました。いつも共にいてくださるお方なのです。
はからずも1年後、再びトーレー博士がグラスゴーを訪問した時、この夫人と出会ったのです。彼女は言いました、「あの日以来パラクレイトスである聖霊がいつも私と共にいて下さるので、少しも寂しさを感じた事はありませんでした。ありがとうございました。」
今日母の愛にも似た聖霊を待ち望んで祈り求めましょう。その豊かな平安があなたと共にありますようにお祈りいたします。
小田 彰