「荒野花咲」
テーマ「選ばれたエシュルン」
聖書 イザヤ 44章1〜5節、使徒行伝 2章14〜21節
5月28日はペンテコステ礼拝です。
「五旬節の日が来て、みんなのものが一緒に集まっていると、突然、激しい風が吹いてきたような音が天から起こってきて、一同が座っていた家いっぱいに響き渡った。また、舌のようなものが、炎のように分かれて現れ、ひとりひとりの上にとどまった。すると、一同は、聖霊に満たされ、御霊が語らせるままに、いろいろな他国の言葉で語りだした。」( 使徒行伝2:1 -4)
この出来事によって教会の歴史が始まりました。教会の誕生日と言っても良いでしょう。しかしこのドラマチックな出来事を繰り返し読むうちに、ペンテコステは激しい劇的な出来事の面が強調されてきました。
今日のテキストであるイザヤ書44章は、神の裁きによって、バビロンに捕えられていたイスラエル人に対して、解放の預言がなされたばかりでなく、その未来に豊かな聖霊の注ぎがあるという約束が与えられたのです。
「私は、渇いた地にに水を注ぎ、干からびた地に流れを注ぎ、我が霊をあなたの子らに注ぎ、我が恵みをあなたの子孫に与えるからである。」(44:3)
長く、辛い試練の時代に、終止符が打たれ、神の恵みがもう一度注がれる約束の中に「我が霊を注ぐ」という御言葉が含まれています。
イザヤ書には、他の箇所にも神の霊が注がれるという表現が度々出て参ります。
「主なる神の霊が私に臨んだ。これは主が私に油を注いで、貧しいものに福音を宣べ伝えることを委ね…」。(イザヤ書61:1)
この記事はイエス・キリストのことを預言しています。その表現は大変厳かなものです。静かにひたひたと聖霊の流れが注がれて、次第に満たされていく様ですね。
「我が、しもべヤコブよ、我が選んだエシュルンよ、恐れるな」(44:2)と言う呼びかけに心が惹かれます。ヤコブがイスラエルの祖先となりました。そのイスラエルに対して「愛するイスラエルよ」と呼びかけている言葉がエシュルンです。
ですから、選ばれた人に聖霊が与えられるのです。しかし聖書は単にイスラエル人ではなく、罪が許され、古い自分から解放され、信仰によって神の子供とされた人々に「選ばれたエシュルンよ」と声をかけているのです。
もし私たちがイエス・キリストによって、新しいものに作り変えられ、古い性質が清められ、御言葉によってまっすぐに歩むことができるならば、求めるものに聖霊が注がれます。それがすべての人に与えられるペンテコステの恵みです。
それでは、聖霊に満たされた人の特徴について5つのことをお伝えしましょう。
①静寂、完全なる平安
②力、静かな忍耐力
③優しさ
④愛
⑤慎み深さ、調和 selfcontrol
1890年に神戸に来日し、日本のキリスト教会に大きな影響与えたBFバックストンは、背の高いいかにも貴族の青年宣教師でした。松江で伝道を開始した時、多くの仏教の僧侶たちと会話しました。彼らが聖書もなく、キリストも知らず、聖霊の恵みも全く聞いたこともなかったにもかかわらず、絶対的平安と静けさを持っていたことに彼は驚きました。この優れた日本人に福音を伝えることができるであろうか?と自問自答しながら聖書と取り組んだそうです。その中で「聖霊に満たされよ」と語り始めたのです。それは、キリスト教信仰の真髄であり、すべての土台であるからです。
ペンテコステだから、聖霊の話をするわけではなく、聖書の背後に常に聖霊の流れがあるのだということを知って、祈り求めていかなければならないのです。
聖霊を求めて祈るときに必ず答えてくださいます。教会の働きも、伝道も、私たちのいかなる奉仕も、聖霊の働きによらなければ、単なる人間の業として結実する事は無いのです。ですから、日々聖霊のお働きを祈り求めてまいりましょう。
神の祝福が豊かにありますようにお祈りいたします。
小田 彰