「新しき人」(コロサイ3:1〜11、エペソ4:17〜24)
前回、キリストの十字架を信じ、罪赦された新しい人の生活目標として「上にあるものを求めなさい」と示されました。
「このように、あなた方は、キリストと共によみがえらされたのだから、上にあるものを求めなさい。そこでは、キリストが神の右に座しておられるのである。あなた方は、上にあるものを思うべきであって、地上のものに心を引かれてはならない。」(コロサイ3:1〜2)
既にコロサイ人への手紙が、「内住のキリストの奥義」であることをお話ししましたが、パウロは、深淵な信仰と同時に、具体的な生活における清められた証を求めています。それは地上的、肉体的、 物質的、或いは性癖など低次元の問題が、神の国を分裂させ、混乱させることを知っていたからです。
「だから、地上の肢体、すなわち不品行、汚れ、情欲、悪欲、また貪欲を殺してしまいなさい。貪欲は偶像礼拝に他ならない。」(コロサイ3:5)
①情欲(男女間の不品行、汚れ、モラルに反すること) 肉体に属すること。
②貪欲(信仰よりも自分の願望、あるいは物質を求めることであって、偶像礼拝と言われる。)
パウロがこれらのことを指摘した時、一般社会の問題ではなく、教会の中における問題であることに注意しなければなりません。
「怒り、憤り、悪意、そしり、口から出る恥ずべき言葉を捨ててしまいなさい。互いに嘘を言ってはならない。あなた方は古き人をその行いと一緒に脱ぎ捨て、造り主の形に従って、新しくされ、真の知識に至る新しき人を着たのである。」(コロサイ3:8〜10)
③悪意(怒り、憤り)品性に関すること。
④恥ずべき言葉(そしり)心の中に内在する罪の性質。
⑤嘘(自己を正当化し、よく見せようとする性癖)
クリスチャンとはなっても、その性格や癖が教会の問題の原因となっている場合があります。また、言葉遣いにおいても教会の中で用いるべきではない表現が横行する場合があります。教会の中における派閥争いや、自己主張を正当化するための虚偽の発言などは「嘘」に属することなのでしょう。
このようなことを取り上げて、サタンは教会の交わりを破壊し、神の国に属することになったクリスチャンたちを地上に引きずり下ろす策略に用いるのです。
ですから「古き人を脱ぎ捨て、新しい人を着る」ことが求められています。
「古き人」には、幼少期の心の傷や、あるいは青春時代に遭遇した悲しみや、人生の進路を阻まれた様々な苦難の経験なども、脱ぎ捨てるべき衣としてあげておかなければならないでしょう。クリスチャンとなった後も、消極的な信仰しか持てない理由になります。常に自分を卑下し、大胆に賛美し、証し、福音を宣べ伝えることができないのです。
キリストの十字架で流された血潮の代償は、私たちの心の内側も生活の外側も造り変えることができる力あるものです。聖霊がそのように導いてくださいますようにお祈りいたします。
「すなわち、あなた方は、以前の生活に属する、情欲に迷って滅びゆく古き人を脱ぎ捨て、心の深みまで新たにされて、真の義と、聖とを備えた神にかたどって造られた新しい人を着るべきである。」(エペソ4:22〜24)
今週も神様の祝福が豊かにありますようにお祈りいたします。
小田 彰