「キリストの平和」(コロサイ 3:12〜17、ヨハネ 14:25〜31)
前回私たちは既に新しい人を着たのであるとの御言葉をいただきました。
「あなた方は古き人をその行いと一緒に脱ぎ捨て、造り主の形に従って、新しくされ、真の知識に至る新しき人を着たのである。」(コロサイ3:8-9)
それでは、新しい人の姿はどのようなものであるかについて、パウロらしい表現をしています。
「だから、あなた方は、神に選ばれたもの、聖なる、愛されているものであるから、あわれみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。互いに忍び合い、もし、互いに責むべきことがあれば、ゆるし合いなさい。」
①私たちの立場。神に選ばれた者、この世から聖別された、愛されている者。
② 5つの徳目。あわれみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身につけなさい。
③大切な2つの勧め。忍び合いゆるし合いなさい。
「これら一切のものの上に、愛を加えなさい。愛は、全てを完全に結ぶ帯である。キリストの平和が、あなた方の心を支配するようにしなさい。…キリストの言葉を、あなた方のうちに豊かに宿らせなさい。」(コロサイ3:14-16)
④全てを結ぶ帯は愛。
⑤キリストの平和が心を支配するように。
⑥キリストの言葉を常に心に宿らせるように。
この部分は初代教会の礼拝式文であったか、あるいは讃美歌であったかもしれないと言われています。
「詩と賛美と、霊の歌とによって感謝して、心から神をほめたたえなさい。」(コロサイ3:16)
⑦新しい人の特徴は感謝と賛美です。
これらの事は箇条書きにして暗記したとしても、生活と生き方に身に付いていなければ無意味ですが、私たちが留意しなければならない大切なことではないでしょうか。
私なりに単純化するならば「クリスチャンの姿は愛による優しさ、御言葉の真理による強さ、感謝と賛美による明るさ」ということができるのではないでしょうか。
アッシジの聖フランシスコの「平和の祈り」を思い起こします。
「キリストの平和」と言う時、4つのことを考えさせられます。
①神との和解
②魂の中に与えられる平和
③人と人との関係における平和
④世界の平和
キリスト者に求められる最も大切な資質は、心の平安ではないでしょうか。絶対的静寂とも言える姿ですね。私はそれを希求ています。
イエス様は、最後の晩餐において、弟子たちに大切な心の遺産を残しました。それは「平安」です。
「私は平安をあなた方に残していく。私の平安をあなた方に与える。私が与えるのは、世が与えるようなものとは異なる。あなた方は心を騒がせるな、またおじけるな。」(ヨハネ14:27)
11月最後の週を迎えました。来週はアドベント第一主日 です。キリストの平安があなたと共に常にありますようにお祈りいたします。
小田 彰