2024.9.1

9月1日 「希望を持って生きる」 ヘンデルとジェネンズの信仰からの表現「メサイア」

 

 8月31日に紀尾井ホールでウクライナ支援オラトリオメサイアの公演もいたしました。60歳から始めたメサイア公演が15回目となりました。

 

 さて、大作曲家であったヘンデルも56歳の時、逆境の暗闇の中にありました。

①春に行われたオペラシーズンの不評のため、多くの負債を抱えていました。

②4年前に患った脳卒中のためオルガンを弾く指があまり動かなかったと言われます。

③ロンドンを中心に君臨していたヘンデルに「お前の時代は終わった」と言う冷たい噂が聞こえてきました。

 

 友人の作詞家ジェネンズが彼に送った原稿が1ヵ月以上前に到着していました。それは1741年8月のことです。8月22日、暗い面持ちで過ごしていた彼は、ふとその包みを開いたのです。

心の中に飛び込んできた言葉は

Comfortye「慰めがあるように」でした。それが今日テノールのソロで歌われるメサイアの第2番3番です。それはヘンデルにとっては神よりの言葉であり、心を照らす光でありました。

「慰めよ。我が民を慰めよ。…服役の時は終わり、そのとがは既に赦された」(イザヤ40:10)

第一部メシア預言とその成就

第二部キリストの受難と復活ハレルヤ

第三部、私たちの復活と永遠の生命

 

 長年この演奏会をして参りましたが、メサイアの結論は51番Butthanksであることに気づきました。

「しかし、感謝すべきことには、神は私たちの主イエス・キリストによって、私たちに勝利を賜ったのである。」(第一コリント15:57)

 

 人生には様々な問題があり、また肉体的にも老いや病があります。「しかしButthanks」と大胆に言える人は幸いですね。環境や境遇によって信仰の土台が揺さぶられない人は幸いですね。まさに超越信仰です。

 このメサイアの歌詞は、聖書の言葉そのままであって、ヘンデルの人生を作り変えたのです。まさに逆転勝利の恵みですね。そして落ち込んだ彼の人生はV字回復して、後に召されたときには、ウェストミンスター寺院にシェイクスピアとともに葬られ、3000人の人々がその葬儀に参列したと言われています。

 

 今日、あなたにも「しかし感謝すべきことには、神は勝利を賜った」、それは健康上にも、仕事上にも、社会的にも勝利を賜るのです。何よりも死を恐れることなく、永遠の命によって生きる恵みが与えられているのです。そのような勝利の人生がキリストによって与えられますようにお祈りしています。

小田 彰