「起きよ床を取り上げて」(マルコ 2:1〜12、ヤコブ 5:13〜20)
第二章の初めに出てくる四人の人によって、運び込まれた中風の人の癒しは、福音書の中における大変ユニークな出来事です。マタイ9:2〜8、ルカ5:18〜26にも記録されています。カペナウムの多分ペテロの実家での出来事でしょう。
「多くの人々が集まってきてもはや戸口のあたりまでも隙間がないほどになった。そしてイエスは御言葉を彼らに語っておられた。すると人々が一人の中風のものを四人の人に運ばせて、イエスのところに連れてきた。ところが群衆のために近寄ることができないので、イエスのおられるあたりの屋根を剥ぎ、穴を開けて中風のものを寝かせたまま、床を釣り下ろした。」(マルコ2:2〜4)
イエスは彼らの信仰を見て、中風のものに、「子よ、あなたの罪は赦された」と言われた。(マルコ2:5)……
「あなたに命じる。起きよ、床を取り上げて家に帰れ」と言われた。(11節)
この箇所は「病の癒しと罪を許す権威」の論争が主でありますが、「兄弟愛と祈りによる癒し」に着眼してみましょう。
①この中風の者はカペナウムの人々から愛されていたのではないか。天井を剥がし、泥やほこりが降ってきても、誰もそれを留める仕草をした形跡がありません。
② 四人の人の熱意と祈りと一致した作業がなければ、この奇跡は起きませんでした。
③四人はなんとしてでもイエスに近づきたいという信仰でした。他のいかなる方法ももはや排除して、ただイエスのみ、唯一の癒し主であると信じていました。
④病人本人の信仰が問われていないのですが、彼も友人たちの愛情によって動かされイエスを信じたのでしょう。
時々アメリカの友人から送られてくるメールのカードがあります。素敵な言葉が載っていました。
Miracles are just good people with kind heart.
奇跡はしばしば親切な心を持った良い人たちによって起こされるものですね。
「友は、いずれの時にも愛する、兄弟は悩みの時のために生まれる。」(箴言17:17)
「一人の友は、100人の親類よりも尊い。」(ドイツ諺)
「友情は喜びを2倍にし、悲しみを半分にする。」(シラー)
「人が、その友のために、自分の命を捨てること、これよりも大きな愛は無い」(ヨハネ15:13)
あなたの祈りが誰かの救いのために用いられますように。
小田 彰